Meta(旧Facebook)のロゴマークに商標出願!商標の衝突とは

 商標登録は、使用を希望する商標の椅子取りゲームです。椅子に座らなくても商標の使用はできるものの、誰かがその椅子に座ってしまうと、椅子に座った人以外の人は、その商標を使用することはできなくなります。今回は、Meta社の商標出願を例に、実際に行われた椅子取りゲームについてお話ししていこうと思います。

 Meta社(旧Facebook社)は、2021年10月28日社名変更を発表し、同日に「Meta」のロゴマークについて、アメリカで商標登録出願をしています。

 一方で、データ資産管理事業を営むスタートアップのMinitt社は、以下のロゴマークについて使用していました。当該ロゴマークは、商標登録出願をしておらず、椅子に座らずに商標を使用している状態でした。このロゴマークについて、Meta社の発表したロゴマークと「激似」であるとのニュースがありましたね。

 Meta社のロゴマークとMinitt社のロゴマーク、結構似てますよね。

 前述のとおり、Meta社のロゴマークは、2021年10月28日にアメリカで商標登録出願をしているため、日本で商標登録出願をした場合、所定の手続を行うことで2021年10月28日に商標登録出願をしたものと同じ取り扱いを受けることができます。つまりMeta社は、2021年10月28日以降(6か月以内に限る。)に日本で出願した場合であっても、アメリカで出願した2021年10月28日に上記ロゴマークについての椅子に座ったことになります。
 Meta社は、日本で当該ロゴマークについての商標登録出願を行ったとの情報はまだでていないものの、「Facebook」の商標登録を日本で受けていることを考えれば、高い確率で日本でも商標登録を受けると考えられます。

 一方で、Minitt社は、当該ロゴマークについて商標登録出願をしていません。そのため、Minitt社は、今から上記ロゴマークについて商標登録出願をしても、Meta社のロゴマークが日本で出願され、特許庁において登録されることによって、商標登録を受けることができません。つまり、椅子取りゲームにおいて、椅子に座れない状態になってしまったのです。それどころか、Meta社がその椅子に座ってしまったことによって、Minitt社が上記ロゴマークを使用し続けることは、Meta社の商標権を侵害することになります。そのため、Minitt社としては、ロゴマークの変更も視野にいれているとのことです。

 Minitt社は、Meta社よりも先に商標登録出願をしていれば、このような事態は防げていたものの、それを怠ってしまったことは、Minitt社に限らず、日本の商標登録に対する意識の低さを表しているといえます。グローバル化が進んだ現代においては、日本国内の椅子取りゲームにとどまらず、グローバルな椅子取りゲームが展開されています。
 椅子取りゲームは、事業を開始した時点で既に参加しています。そういったリスク感覚を身につけ、なるべく安全なルートで事業を前に進められるとよいですね。