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アイディール通信

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エキサイティング面接審査

特許出願は特許庁の審査官によって審査され、
審査を通過した出願のみが特許されます。

特許出願された発明は今まで世の中になかったからこそ特許されるので
ある意味最先端の技術的知見を含む訳です。

その発明を審査する審査官は
特許出願された発明の技術分野におけるスペシャリスト
その分野の技術常識をすべて理解している人ということになっていますが
実はそんなことまったくありません。

文献に記載されている知識には長けているのでまったくの門外漢ということはありませんが
ものづくりの実際の事業者が直面している課題などについては正直疎いと思います。
まぁ 審査官も公務員であり、配置転換などがありますから
本当の意味での技術スペシャリストになるのは難しいんだと思います。

なので 出願の審査の際に
審査官の面前で発明の技術的背景や技術的意義を直接説明する面接審査を活用することは
とても重要です。

今日は弊所のお客様の特許出願に関して審査官との面接審査でした。

このお客様はその事業分野ではまだまだ小規模な事業者ですが
弊所が特許出願をサポートさせていただいてから順調に成長されており
最近ではその事業分野の最大手から煙たがられるような存在になってきました。

今回の面接審査案件はお客様にとって極めて重要な案件であり
この出願について特許取得できれば、一段と事業の成長が見込めます。

面接審査に際し、私は事前に先行技術との対比資料を作成して審査官に送付する一方
お客様は先行技術との効果の相違を明確にする動画を作成し
気合十分でオンライン面接審査に臨みました。

が… 思うように運ばず
審査官の心証を覆すことができませんでした。
60分間 激論しました。
こちらが作成した資料や動画から先行技術を凌駕した作用効果が発揮されていることは審査官も認めました。
それであっても 先行技術から自明だとして審査官は譲りませんでした。
審査官と弁理士の共通言語が記されている審査基準の内容についても議論しました。
細かい点は書けませんが 私が考えるに審査官の判断はかなり不合理であり 理不尽です。

かなり激しい言葉が飛び交ってしまったのですが
お客様の考えを代弁する代理人として「あーそうですか」と納得する訳にはいきません。

審査官 出願人の両方の言い分 論点を明確にして面接審査は終了となりました。

終了後に私を見たお客様いわく
「オンラインの面接審査で良かったね。リアルだったら警備員必要になっていたかもよ。」
とのことで
私がかなり戦闘モードに突入していたとの印象だったようです。

私なりに冷静ではあったのですが ちょっとエキサイトし過ぎたようで
そのあと興奮収まらず 仕事があまり手につかなくなってしまい 反省です。

このあとは、審査官に反論書面である意見書を提出できますから、
今日のエキサイティングな面接審査の振り返りつつ
審査官に心証を変えてもらうためにどのよう議論を展開すればよいのか
提出期限まで冷静に考えていきたいと思います。

最後はお客様と笑い合える、そのイメージをもって頑張ります!